東京都内で作れる!縄文土器作り体験レポート

東京都内で縄文土器作り体験

歴史の教科書で、必ず序盤に登場する縄文土器。1万年以上前に作られたとは思えない造形美に、誰もが「どうやって作ったんだろう?」と思ったはずです。そこで今回、東京都多摩市にある東京都埋蔵文化財センターで行われた縄文土器作り体験に参加し、その作り方を取材してきました。

東京都内で縄文体験!土器や復元住居に触れて縄文人気分を味わおう

東京都埋蔵文化財センター

「多摩の縄文土器を作ろう」と題された体験メニューでは、多摩ニュータウンの遺跡から出土した縄文土器をお手本に、土器を一から作ることができます。

2日間かけて形を作り、その後に野焼きを行うため、計3日間参加できることが応募条件となっていました。本格的な土器作りにもかかわらず、なんと参加費は無料。参加者は30名ほどいましたが、人気のため抽選だったようです。

どのタイプがお好み?縄文土器選び

選べる4タイプ。一番右端が人気でした。

実習室に案内され、まずは各自作りたい土器のタイプを選びます。人気は一番右のタイプ。パッと見て、いかにも縄文土器っぽいですもんね。

筆者も最初は右のタイプを作ろうとしたのですが、じっくり見ているうちに思ったのです。

これ、焼いたら取れそうだな・・・

ということで、わりと頑丈そうで文様も目立つ左のタイプを選びました。

多摩ニュータウン遺跡から出土された縄文時代中期前半(約5000年前)のものとみられる土器。

縄文土器作りの材料と道具

制作に必要な材料や道具もすべて用意されていました。

竹べら、ハマグリの貝殻など
縄文土器作りセット。粘土、木台、竹べら、ハマグリの貝殻、敷物に葉っぱか網代が選べます。

なんとこの粘土も、縄文時代に使用されたものと同じ!

多摩ニュータウン近辺に住んでいた縄文の人々は、現在の京王相模原線多摩境駅近くの山から土器の粘土を採掘していたそうです。今回は、そこから採ってストックしていた粘土に、市販のテラコッタと川砂を混ぜて1年寝かした粘土が使用されました。

縄文土器の作り方

縄文土器は、輪積み法という粘土紐を積み上げる方法で制作していきます。

最初に、見本となる土器を採寸。
私が作るタイプは、底の直径が約10センチ、高さは30センチほどでした。厚みがあるように見えますが、実は1センチに満たない程度で大丈夫なのだとか。

底の部分

まず木台の上に葉っぱを敷き、葉脈の跡がつくように粘土を丸く押し付け、底の部分を作ります。

そして、雑巾で湿らせた板の上で粘土紐を作り、積み上げてはくっつけるという作業を繰り返していくのです。

粘土紐を底に乗せる

粘土が乾かないうちに、少しずつ指で粘土をくっつけて固定します。空気が入ると乾燥で外れたり、焼いたときに取れてしまうので、注意しながら進めなければいけません。

指の腹で下の粘土となじませていく。
これで10本分くらい。…まだまだ先が長い…

3本ほど積んでは表面も整えます。外側は木べらで、内側はハマグリの貝殻を使ってなめらかに。

土器の形がゆがまないように手を添えて整えます。
どんどん広がってしまうので軌道修正中。(スタッフさんが手直ししてくれています)
内側は貝殻を使って。縄文人、賢い!

ある程度の高さになったら、裏返して敷物を取り、底の周りも木べらで整えます。

葉脈の跡がきれいに付きました

その後も粘土紐をひたすら積んではくっ付け、1日目(約6時間)はベースとなる形が出来ました。地味な作業ですが、意外と腕が疲れます。

縄文土器作りといえば、文様付け!

さて、1日目でベースができたので、2日目は文様をつける作業です。正直、これが縄文土器作りの醍醐味ではないでしょうか。

文様がわかるように配布されたプリント。思った以上に複雑で目が回りそうです。

見本の土器や、配布されたプリントをもとに、竹ひごで下書きをしていくのですが・・・

縄文人、クリエイティブ過ぎません?(汗)

「え?ここでくるっとなって・・・え?」竹ひごが迷子状態。

縄文中期の土器によく見られるこれらの文様、一体何をモチーフにしているのか気になりますよね。スタッフさんにも聞いてみましたが、よく言われるヘビ(動物)なのか、ワラビのような植物なのか、はたまた別のものか、はっきりは分からないそうです。

それでも「この部分、何を表しているのかな?」「縄文人はどんな意味を込めたんだろう?」と想像しながら作るのが面白い!(そして難しい)

粘土紐をのせ、竹管で模様をつけてみるとこんな感じ。

仕上げは、お楽しみの縄文付け!

一度霧吹きで全体を湿らせたら、表面にコロコロと模様をつけていきます。

これぞ縄文土器。

2日間で形が完成しました!

ちょっとずん胴気味ですが、そこはご愛嬌。

2日間、朝から夕方までみっちり作業しましたが、時間が足りないという方もちらほら。スタッフの方が手伝ってくれたおかげで、なんとか形になりました。

もちろん、まだ完成ではありません。ここから乾燥させ、2週間後に野焼きが行われました。

縄文土器の野焼きに立ち会う

野焼きは、埋蔵文化財センターのお隣にある「縄文の村」で行われました。朝9時半に、自分が作った土器を持って村内に入ると・・・

すでにめちゃくちゃ土器焼いてる

参加者の皆さんも、自分の土器が焼かれる様子を見守る。

これだけの数の縄文土器が揃って焼かれている光景、なかなか見られません。

しかしこの現場、かなり暑い。当日は気温が高かったうえに、この野焼きです。顔を真っ赤にしながら、付きっきりで土器を焼き進めてくれるスタッフの皆さん、本当にお疲れ様です。

ある程度焼いたところで土器が中央に集められました。その上から木の枝がかぶせられ・・・

ファイヤー!!!

近くにいると、かなりの迫力。キャンプファイヤーでこの火力だったら、通報されるでしょう。さすがに皆さん遠巻きになりました。
この炎の中で、土器たちは一気に焼かれていきます。

火が落ち着いてきたら、土器の姿も見えてきました。無事に焼けたかな?

焼きあがった土器たちは、水で洗われます。

じゃぶじゃぶ。

今回は全体的にこんがり焼きあがったようで、若干色が黒い部分も。しかしそれも土器ならではの味ですね。途中でパーツが取れてしまった土器もありましたが、おおむね焼き上がりも成功したようです。

焼きあがった土器を並べれば、まるで縄文時代の風景!

ついに完成!マイ・ファースト・縄文土器

自分で作った縄文土器は愛着もひとしおです。おもに煮炊きに使用されたとみられる縄文土器ですが、どうやって使おうか、妄想が膨らみます。(縦に長いから、パスタでも茹でてみようかしら)

余談ですが、もし不要になっても土の中に埋めたりしないで!とのこと。なぜなら、本当にいつの時代の土器か分からなくなるから。なるほど(笑)

縄文初心者の筆者ですが、初めての土器作りで、より縄文の魅力にハマってしまいました。埋蔵文化財センターでは年に数回、土器やアクセサリー、縄文食の体験イベントも開催されています。一生に一度は、自分だけの縄文土器を作ってみませんか?

東京都埋蔵文化財センター
住所:東京都多摩市落合1丁目14−2
開館時間:午前9時30分~午後5時
※11月から2月は遺跡庭園「縄文の村」のみ午後4時30分まで

休館日:年末年始
展示替えによる休館の場合有り。詳しくは公式サイトをご確認ください。

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