応仁の乱よりも前に創業したという蕎麦屋「本家尾張屋」
今回訪れたのは、日本で一番古い蕎麦屋として知られる京都の「本家尾張屋」さん。その創業はなんと室町時代の寛正6(1465)年、あの“応仁の乱”の2年前という超老舗なのです。もとは菓子屋として始まり、江戸中期1700年頃に蕎麦屋としての営業を開始したといいます。

烏丸御池駅から徒歩5分ほどの場所にある本店を訪れると、昼時には10名ほどの行列ができていました。京都の老舗というと敷居が高そうですが、とても親しみやすい接客だったのが印象的です。
案内されたのは2階の椅子席。店内は家族連れから若いカップルまで幅広い客層で満席でしたが、落ち着いた雰囲気でゆっくりと食事をいただけました。
尾張屋の名物「宝来そば」
尾張屋の名物といえば「宝来そば」。“わりご”という漆器5段に盛りつけられたお蕎麦に、盛り付けられた薬味をお好みで合わせ、一碗ごとにいただけるという豪華なお蕎麦です。
少々お高めですが、せっかくなので注文してみました。

ぱっと見て印象的なのが、この“寶(たから)”の文字です。昔から縁起の良い食べ物とされ、蕎麦を食べると宝がくるという言い伝えから命名された「宝来そば」。蕎麦をめでたい物として食べてほしいという当主の思いから、のれんや器に「寶」の文字を使っているのだとか。
最初の一皿はそばの風味を感じながらシンプルに、二皿目は薬味全部乗せ、三皿目は海老天蕎麦…など、味変を楽しみながら堪能。あっという間に5段をペロリと完食してしまいました。
尾張屋の代表銘菓「そば餅」

食後には、本家尾張屋の代表銘菓「そば餅」と「蕎麦板」の和菓子セットもいただきました。そば餅は、明治初期に誕生したお菓子です。餅という名は丸い形からきたらしく、皮に蕎麦粉が使われているお饅頭でした。
同じく蕎麦粉を使った蕎麦板は、パリッとした焼き菓子で、こちらもおすすめ。どちらも蕎麦の風味が味わえる尾張屋ならではのお菓子です。お土産としても購入できますよ。

多くのメニューは1000円ほどの価格となっており、気軽に味わえる老舗の名店として人気なのも頷けます。京都には本店のほか、四条店と高島屋店もありますので、史跡巡りの合間にぜひ立ち寄ってみてください。
本家尾張屋 本店
営業時間:11時〜19時(ラストオーダー18時)※お菓子販売のみ 9時〜
休日:1月1日・2日
住所:京都市中京区車屋町通二条下る