創業1000年以上も!京都ならではの老舗和菓子屋一覧

京都の老舗和菓子屋一覧

日本を代表する人気観光地・京都。せっかく観光に訪れたなら、京都ならではの老舗の和菓子を味わいたいですよね。 創業1000年以上の歴史を持つ名店や、京都でしか買えない知る人ぞ知る和菓子はお土産にもおすすめです。変わらない製法で作られた和菓子をいただけば、当時の食文化を感じられるはずです。本記事では平安時代から室町・戦国時代、江戸時代に創業した和菓子屋をまとめて紹介します。

※営業時間・定休日は変更となる場合がございます。ご来店前に必ず店舗情報を公式サイト等でご確認ください。

平安時代に創業した京都の老舗和菓子屋

「一文字屋和輔」(京都市北区・今宮神社参道)

平安時代創業京都の老舗和菓子屋「一文字屋和輔」あぶり餅

京都市北区の今宮神社東門参道にある甘味処「一文字屋和輔(いちもんじやわすけ)」。創業はなんと平安時代中期の長保2年(西暦1000年)で、1000年以上の歴史を持つ日本最古の老舗和菓子屋です。

名物の「あぶり餅」は、餅にきな粉をまぶして竹串に刺してあぶり、白味噌のタレにつけたもの。

その歴史は、今宮神社の祭事で用いられた竹や供えられた餅を参拝者に厄除けとして振る舞ったのが始まりとされています。そのため、一文字屋和輔のあぶり餅も疫病除けの餅といわれているのだとか。

ちなみに、一文字屋和輔の向かいには同じくあぶり餅の店「かざりや」があり、そちらも江戸初期創業の老舗として知られています。

一文字屋和輔
住所:〒603-8243 京都府京都市北区紫野今宮町69
アクセス:京都市バス46系統「今宮神社前」下車徒歩2分
定休日:水曜(1日、15日、祝日が水曜の場合は営業、翌日休業)年末
営業時間:10:00~17:00
食べログを見る

室町時代に創業した京都の老舗和菓子屋

「亀屋陸奥」(京都市下京区・西本願寺門前町)

亀屋陸奥の松風

京都市下京区の西本願寺近くにある「亀屋陸奥」。古くから本願寺に仕え、供物や諸事に携わってきた老舗の和菓子店で、その創業は室町時代中期の応永28年(西暦1421年)とされています。

代表銘菓として有名な「松風」は、元亀元(1570)年から11年間続いた織田信長と石山本願寺の合戦のなか、兵糧代わりになったといわれています。
『燃えよ剣』『関ヶ原』といった司馬遼太郎の小説や、大河ドラマ『真田丸』にも登場するなど、歴史好きにもおなじみの和菓子のひとつです。

亀屋陸奥
住所:〒600-8227 京都府京都市下京区菱屋町153番地
アクセス:京都駅より徒歩約15分。堀川七条交差点近く
定休日:水曜・年始
営業時間:8:30~17:00
公式サイト:http://www.kameyamutsu.jp/
食べログを見る

「水田玉雲堂」(京都市上京区・上御霊神社鳥居前)

京都市上京区の上御霊神社鳥居前にある「水田玉雲堂(みずたぎょくうんどう)」は、室町時代の文明9年(1477年)創業の老舗和菓子店です。

水田玉雲堂の名菓といえば、代表銘菓「唐板(からいた)」。水田玉雲堂はこの唐板のみを作り続けています。水田玉雲堂の先祖が、疫神を鎮めるために供えられたという唐板煎餅の製法を古書から会得し、応仁の乱後に再興したといいます。

唐板はサクッと素朴な甘さの煎餅で、日本最古のクッキーともいわれてます。

水田玉雲堂
住所:〒602-0895 京都府京都市上京区 上御霊前通烏丸東入上御霊前町394
アクセス:地下鉄鞍馬口駅 出口1より徒歩3分
定休日:日曜・祝日
営業時間:10:00~17:00
公式サイト:http://www.gyokuundo.com/
食べログを見る

「御粽司 川端道喜」(京都市左京区下鴨)

御粽司 川端道喜(おんちまきし かわばたどうき)」は、16世紀初頭の文亀、永正年間に創業したと伝わる老舗和菓子店です。

戦国時代から東京遷都まで、天皇の朝食として毎朝「御朝物」とよばれる餅を献上しており、川端道喜が通行する門は“道喜門”として現在の京都御所にも遺っています。

代表銘菓の「水仙粽」「羊羹粽」は、創業から変わらず保存料や添加物などを一切使用しない製法で作られています。完全予約制のテイクアウトのみとなっているので、事前に電話または来店にて予約が必要になります。

粽は要予約ですが、干菓子「おいとぽい」は京都伊勢丹などのデパ地下で気軽に購入できるので、こちらもおすすめです。

川端道喜「おいとぽい」
「おいとぽい」とは、室町初期から宮中女官が用いた御所ことばで“かわいい”という意味だそうです。
御粽司 川端道喜
住所:〒606-0847 京都府京都市左京区下鴨南野々神町2-12
アクセス:地下鉄「北山駅」より徒歩2分
定休日:水曜日
営業時間:9:30~17:30
電話予約:075-781-8117
食べログを見る

「おせきもち」(京都市伏見区・城南宮門前)

永禄年間(西暦1560年頃)に創業し、450年以上続く老舗和菓子店「おせきもち」。店の名前にもなっている名物の「おせきもち」は、城南宮の門前菓子として愛されています。
もとは鳥羽街道にあった茶屋で“せき女”という女性が行き交う人々に振舞っていた餅が起源となっているそうです。新選組の近藤勇たちも訪れたといいます。
慶応4(1868)年の鳥羽・伏見の戦いでお店が焼けてしまったため、1932年に現在の場所に移っています。

甘すぎない粒あんをコシのある餅に乗せた、なつかしい味わいが人気です。

おせきもち
住所:〒612-8463 京都府京都市伏見区中島御所ノ内町16
アクセス:「竹田駅」から徒歩17分
定休日:月、火曜日 ※冬季・夏季に臨時休業あり
営業時間:8:30~18:00
食べログを見る

「とらや」(京都府内各所)

今や全国的に店舗をかまえる有名和菓子店「とらや」も、室町時代後期に京都で創業したといわれています。
天正14年(1586年)に即位した後陽成天皇の在位中から御所御用の菓子司となり、その後東京遷都にともない、東京に進出しました。

京都「とらや」限定羊羹として「白味噌」「黒豆黄粉」

代表銘菓の羊羹など季節にあわせ様々な和菓子が全国で購入できますが、京都ならではの限定羊羹として「白味噌」「黒豆黄粉」などがあります。

京都御所近くの「とらや 京都一条店」と「虎屋菓寮 京都一条店」は、寛永5(1628)年より前から店を構えていた場所です。せっかく京都を訪れたなら、こちらで購入してはいかがでしょうか。

虎屋菓寮(とらやかりょう) 京都一条店

虎屋菓寮 京都一条店(とらやかりょう)

とらや 虎屋菓寮(とらやかりょう) 京都一条店
住所:京都府京都市上京区一条通烏丸西入ル
アクセス:地下鉄烏丸線「今出川駅」6番出口徒歩5分
定休日:元旦、毎月最終月曜
営業時間:10:00~18:00
公式サイト:http://www.toraya-group.co.jp/
食べログを見る

「みなとや 幽霊子育飴本舗」(京都市東山区・六道珍皇寺近く)

「みなとや 幽霊子育飴本舗」幽霊子育飴(ゆうれいこそだてあめ)

創業450年以上、日本一歴史がある飴屋といわれる「みなとや 幽霊子育飴本舗」。お店は六道珍皇寺の門前、六道の辻近くにあります。

名物は「幽霊子育飴(ゆうれいこそだてあめ)」です。慶長4(1599)年頃、毎晩飴を買いに来る女性がおり、不審に思った店主が付けていくと墓場で女性の亡骸とともに生きた赤子がいたそうです。店主が赤子を助けたところ、女性は現れなくなったため「幽霊子育飴」と呼ばれるようになったといいます。そのとき助けられた子が後に立本寺(りゅうほんじ)の高僧になったことから、食べると出世する飴といわれています。

みなとや 幽霊子育飴本舗
住所:〒605-0063 京都府京都市東山区轆轤町 東入ル西
アクセス:清水五条駅から505m
定休日:無休
営業時間:10:00~16:00
公式サイト:https://kosodateame.com/ame/
食べログを見る

安土桃山時代に創業した老舗和菓子店

「長五郎餅本舗」(京都市上京区・北野天満宮)

天正年間、北野天満宮の縁日で餅を売っていた河内屋長五郎によって創業されたと伝わる「長五郎餅本舗(ちょうごろうもちほんぽ)」。

代表銘菓の「長五郎餅」は、餡を薄い餅でくるんだ北野天満宮の名物です。天正15(1587)年に豊臣秀吉が北野天満宮で催した大茶会で餅を献上したところ、気に入った秀吉から命名されたといいます。

本店のほか北野天満宮の境内にも茶店があり、そちらは毎月25日北野天満宮の縁日に開店しています。参拝のお土産や休憩におすすめですよ。

長五郎餅本舗」(京都市上京区・北野天満宮)
こちらは北野天満宮の境内にある茶店
長五郎餅本舗 本店
住所:〒602-8336 京都府京都市上京区滝ケ鼻町430
アクセス:北野白梅町駅から700m
定休日:9:00~17:00
営業時間:木曜日
公式サイト:http://www.chogoromochi.co.jp/
食べログを見る

江戸時代に創業した老舗和菓子店

「亀屋伊織」(京都市中京区・烏丸御池)

創業以来400年以上、茶会に出される干菓子のみを作り続けている老舗和菓子屋「亀屋伊織」。火災で資料が焼失してしまったため創業年ははっきりわからないそうですが、1600年代初めの創業とされ、徳川家光公に菓子を献上した際に御所百官名のひとつ「伊織」の名を賜ったものと伝えられています。

総桐の菓子だんすに収められた干菓子は、どれもシンプルながら薄茶に合う上品な味わいが評判です。

なお、一般の方が購入する場合は事前に予約が必要となりますのでご注意ください。

亀屋伊織
住所:〒604-0026 京都府京都市中京区二条通新町東入ル
アクセス:丸太町駅から387m
定休日:不定休(ただし完全予約制)
営業時間:9:00~16:00
TEL:075-231-6473
食べログを見る

「亀屋清永」(京都市東山区)

「亀屋清永」(京都市東山区)

元和3(1617)年に創業したと伝えられる「亀屋清永」。禁裏御用達の京御菓子司として、古くから禁裏御所御膳所や諸藩諸侯、寺社仏閣に菓子を納めてきた老舗の名店です。

亀屋清永の代表銘菓といえば「清浄歓喜団(せいじょうかんきだん)」です。奈良時代、遣唐使によって伝えられた唐果物(からくだもの)の一種で、京菓子のルーツといわれています。お香を練り込んだこし餡を金袋型に包み、八つの結びで閉じて揚げた菓子で、その特徴的な見た目は千年前のままなのだとか。清浄歓喜団が購入できる和菓子屋は亀屋清永のみとなっているため、歴史好きなら京都のお土産に一度は購入したい逸品です。

亀屋清永の代表銘菓「清浄歓喜団」と「餢飳(ぶと)」
亀屋清永の代表銘菓「清浄歓喜団」と「餢飳(ぶと)」
亀屋清永
住所:〒605-0074 京都府京都市東山区祇園町南側534
アクセス:祇園四条駅から463m
定休日:水曜日
営業時間:8:30~17:30
公式サイト:https://www.kameyakiyonaga.co.jp/
食べログを見る

「かざりや」(京都市北区・今宮神社東門南側)

「かざりや」(京都市北区・今宮神社東門南側)

寛永14(1637)年創業の「かざりや」は、今宮神社の東門参道にある「あぶり餅」の老舗です。

「かざりや」のあぶり餅は、一口サイズの餅にきな粉をまぶし、竹串に刺してあぶってから白味噌のタレにつけたもの。

向かいには同じく冒頭で紹介したあぶり餅の老舗「一文字屋和輔」がありますが、味が少々違うため、ハシゴをして違いを楽しむのもおすすめです。

かざりや
住所:京都府京都市北区紫野今宮町96
アクセス:市バス46「今宮神社前」下車すぐ
定休日:水曜日(1、15日・祝日の場合は翌日休み)年末
営業時間:10:00~17:00
食べログを見る

「粟餅所 澤屋」(京都市上京区・北野天満宮前)

京都「粟餅所 澤屋(あわもちどころ さわや)」粟餅
あんこときなこの3個セット「紅梅」

天和2(1682)年に創業した「粟餅所 澤屋(あわもちどころ さわや)」は、北野天満宮前にある人気老舗和菓子店です。

名物の粟餅は、あんこときなこの2種類があり、どちらも甘すぎない上品な味でやわらかい食感がたまりません!

テイクアウトでも購入可能ですが、ぜひ参拝帰りに店内で食べていただきたい逸品です。

粟餅所 澤屋
住所:〒602-8384 京都府京都市上京区紙屋川町838-7
アクセス:市バス「北野天満宮前」下車すぐ
定休日:木曜、毎月26日(日曜・祝日の場合は営業)
営業時間:9:00〜17:00頃(売り切れ次第終了)
食べログを見る
関連記事

1465年創業!京都最古の老舗蕎麦屋「本家尾張屋 本店」 今回訪れたのは、日本で一番古い蕎麦屋として知られる京都の「本家尾張屋」さん。その創業はなんと室町時代の寛正6(1465)年、あの“応仁の乱”の2年前という超老舗なの[…]

関連記事

コロナ禍で外出自粛が続くなか、地方グルメのお取り寄せが人気となっています。創業100年以上の歴史を持つ老舗の銘菓も、オンラインショップや通販で購入できるのをご存じですか? 今回は、全国各地からお取り寄せできる銘菓を厳選してご紹介します。[…]

歴史上の人物も愛した!老舗の和菓子をお取り寄せ
関連記事

東京で美味しいお菓子や手土産をお探しなら、最新スイーツだけでなく老舗の和菓子はいかがですか?東京にも創業100年以上の歴史を持つ和菓子の名店がたくさんあります。東京でしか買えない、知る人ぞ知る和菓子はお土産にもおすすめです。当時の製法そのま[…]

手土産におすすめ!東京の老舗和菓子屋一覧|創業100年以上の江戸スイーツを味わおう

京都の老舗和菓子屋一覧
最新情報をチェックしよう!