駿府・静岡県静岡市で徳川家康ゆかりの地めぐり!「どうする家康」大河ドラマ館にも注目

徳川家康公は、幼年期と壮年期そして晩年を駿府(現在の静岡県静岡市)で過ごしました。人質として駿府で幼少期を過ごした家康ですが、晩年に再び戻っていることから駿府を愛していたことがわかります。そんな家康公が愛した街・静岡県静岡市では、駿府城や久能山東照宮などゆかりの地が今も大事に守られています。2023年大河ドラマ「どうする家康」放送にあわせ、大河ドラマ館もオープン。静岡にある家康公ゆかりの地をめぐり、改めてその功績を感じてみませんか。

静岡駅では家康公の像がお出迎え

家康公ゆかりの地めぐりのスタート地点はJR「静岡駅」から北口広場には徳川家康公像と竹千代君像(家康公の幼名)2つの銅像が建てられています。静岡駅前だけで銅像が2つも建てられているなんて、静岡にとって家康公が今も偉大な存在だということが感じられますね。

静岡駅前の徳川家康像・竹千代君像
静岡駅前の竹千代君像(左)と徳川家康像(右)

天文18年(1549年)からの12年間、8才から19才までを今川氏の人質として駿府で生活していた家康公(幼名:松平竹千代)。「竹千代君像」はそんな家康公幼少期の姿を表したものです。ちなみに近年、竹千代君像の背後には今川義元公の銅像も設置されたため、より人質感が増したように見えます…。

一方、画像右の徳川家康公像は壮年期の姿で、二度目の駿府居住の頃、40代後半の姿を表した銅像だそうです。

家康公ゆかりの城・駿府城

家康公ゆかりの地としてまず足を運びたいのは、家康公が晩年大御所政治の拠点とした駿府城です。

駿河を支配した家康公は、浜松城から居城を移し、天正13年(1585年)から築城を始めました。関東移封となり、代わりに中村一氏が城主となりますが、江戸幕府を開き将軍職を秀忠に譲ると、再び駿府へ戻り居城として整備しました。そして75歳に亡くなるまでの約10年間を駿府で過ごしたのです。

駿府城東御門・巽櫓
駿府城東御門・巽櫓

現在、本丸と二の丸の跡は駿府城公園として整備され、市民の憩いの場となっています。また、二の丸南東の巽櫓(たつみやぐら)と東御門、二の丸南西角の坤櫓(ひつじさるやぐら)が復元されています。

駿府城東御門の復元
復元された東御門

巽櫓の内部は資料館として公開しており、発掘資料の展示や、幼少期の家康公(竹千代)が手習いをした臨済寺の部屋の復元が見られます。

復元された「竹千代手習いの間」

駿府城に復元された臨済寺の「竹千代手習いの間」
駿府城に復元された臨済寺の「竹千代手習いの間」

家康公(竹千代)は、今川家の軍師であり臨済寺住職の太原雪斎から様々な教えを受けました。当時の駿府は京の公家文化も色濃く漂う文化都市だったといいます。三河出身の家康にとって、駿府で過ごした幼少期はその後の人生に大きな影響を及ぼしたことでしょう。

臨済寺は通常見学できませんが、駿府城には臨済寺監修のもと手習いの間が実寸で復元されています。こちらでは部屋に入って竹千代気分で「吾妻鑑」を読むことができますよ。

天守台発掘調査現場見学ゾーン 発掘情報館きゃっしる

天下普請により大修築された駿府城には、城郭史上最大級の規模の天守台が築かれていたといいます。

実際に発掘調査現場を見てみると、その大きさに驚くはず! 見渡す限り大量の石、石、石…。一体どれだけ大きな天守台だったのか、想像するだけで圧巻です。

駿府城天守台発掘調査現場
駿府城天守台発掘調査現場(写真は2019年時点のもの)

併設された「発掘情報館 きゃっしる」では、平成28年(2016年)から始まった発掘調査で発見された資料や最新データを見ることができます。城好きの方にはぜひ立ち寄っていただきたいスポットです。

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駿府城ビューポイント
駿府城公園に建つ晩年の徳川家康像
駿府城公園には、大御所となり駿府に戻ってきた家康公の姿を表した銅像も

2021年春からはお堀をめぐる「葵舟」が運航を開始しています。櫓や石垣を舟上から眺めるのもおすすめですよ。

駿府城公園
住所:〒420-0855 静岡県静岡市葵区駿府城公園1-1
料金:大人360円、小人120円
営業時間:午前9時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
定休日:月曜(祝日、休日にあたる場合は休館振替なしで営業)、年末年始(12月29日~1月3日)
アクセス:JR「静岡駅」より徒歩約15分、「新静岡駅」より徒歩約12分
公式サイトはこちら

家康公を祀る久能山東照宮

元和2年(1616年)に亡くなった家康公は、その遺命により久能山に埋葬されます。翌年、2代将軍秀忠公が家康公を祀るため建立したのが久能山東照宮です。社殿は当時の最高の建築技術をもって造営され、平成22年には国宝に指定されています。

家康公ゆかりの品をはじめとした伝世の宝物や資料約2,000点以上を収蔵する久能山東照宮博物館では、歴代将軍の武器や武具、スペイン国王から贈られたという洋時計など家康公の貴重な日常手沢品を実際に見ることができます。

大河ドラマ「どうする家康」が放送される2023年は、特別展「徳川家康公展」を開催。関ヶ原の戦いで用いた歯朶具足など、家康公の甲冑や刀剣などが一挙公開される貴重な機会となっています。参拝の際はぜひ博物館にもお立ち寄りください。

久能山東照宮
住所:〒420-0868 静岡県静岡市葵区宮ヶ崎町102
料金(博物館・社殿共通):大人800円、小人300円
営業時間:9時~18時(最終入場17時30分)
定休日:なし
アクセス:JR「静岡駅」より路線バスで約50分「日本平」で下車し、日本平山頂よりロープウェイで約5分
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家康公が元服した静岡浅間神社

家康公が14歳のときに元服した場所として知られているのが、静岡浅間(せんげん)神社です。静岡浅間神社という名は神部神社・浅間神社・大歳御祖神社の三社の総称で、“静岡”という地名の由来といわれる賎機山(しずはたやま)の麓に鎮座しています。

家康公が元服した静岡浅間神社

漆塗り極彩色の社殿は豪華絢爛! なかでも大拝殿は25mという高さで、あの出雲大社本殿よりも高く、日本最大級の木造神社建築です。社殿26棟は国の重要文化財にも指定されています。

もともと賤機山には武田氏の城(賤機山城)が築かれていました。天正9年(1582年)、家康公は武田氏攻略にあたりこの地で戦勝を祈願し、無事攻略した際には必ず再建することを誓って社殿を焼き払ったといいます。そして約束通り、後に新たな社殿を造営しました。以来、歴代将軍によって厚く庇護され、現在でも市民から「おせんげんさん」と呼ばれ親しまれています。

境内には2023年NHK大河ドラマ『どうする家康』大河ドラマ館もオープンしているため、家康公ゆかりの地めぐりなら外せないスポットとなりそうです。

静岡浅間神社
住所:〒420-0868 静岡県静岡市葵区宮ヶ崎町102-1
アクセス:JR「静岡駅」よりバスで約8分「赤鳥居 浅間神社入口」下車
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「どうする家康 静岡 大河ドラマ館」

大河ドラマ放送にあわせ、静岡浅間神社の境内に期間限定でオープンする「どうする家康 静岡 大河ドラマ館」。開館期間は令和5年1月27日(金)〜令和6年1月28日(日)の1年間となっています。

大河ドラマ館では、ドラマ内で使われた衣装や小道具のほか、久能山東照宮や駿府城など静岡の家康公ゆかりの地に関する展示などが見られます。ちなみに名誉館長には静岡市出身の落語家・春風亭昇太さんが就任されていますよ。

人気俳優・松本潤さんが家康公を演じるとあって会期中は混雑が予想されるため、公式サイトをチェックしてから訪れましょう。

どうする家康 静岡 大河ドラマ館
住所:〒420-0868 静岡県静岡市葵区宮ヶ崎町102
料金:大人400円、小人200円
営業時間:9時~18時(最終入場17時30分)
定休日:なし
アクセス:JR「静岡駅」から徒歩20分、もしくはJR「静岡駅」よりバスで約8分「赤鳥居 浅間神社入口」下車
公式サイトはこちら

宿泊してみたい!1日1室限定の“家康公ルーム”

静岡へ宿泊先を探している方におすすめしたいのが「静鉄ホテルプレジオ 静岡駅南」の1日1室限定 徳川家康公コンセプトルームです。

駿府城や葵の御紋が大きくあしらわれた特別な仕様となっており、家康公が夢にまで出てきそう。
特典として限定トートバックがもらえるほか、久能山東照宮&日本平ロープウェイのセット券、「どうする家康 静岡 大河ドラマ記念館」の入場券もセットになっているので、家康公ゆかりの地めぐりにおすすめです。

静鉄ホテルプレジオ 静岡駅南
住所:静岡県静岡市駿河区南町13-21
アクセス:JR「静岡駅」南口から徒歩2分

家康公にちなんだグルメ・お土産

静岡市内にある多くの観光スポットでは、家康公にちなんだお菓子やグッズが販売されています。せっかく静岡で家康公ゆかりの地めぐりをするなら、家康公にちなんだお土産やグルメを探して楽しみましょう!

家康公の好物が味える『日本料理うおかね』

嘉永2年創業の老舗日本料理うおかねでは、家康公の好物やゆかりの食材を使用した​駿河名物御膳「駿之海慈恵」(7,700円)が味わえます。御膳の名前を命名したのは、久能山東照宮の宮司さんだそうです。

同じく久能山東照宮監修の「家康公狩場弁当(一富士二鷹三茄子)」(1,300円)もおすすめ。家康公の好物である茄子や味噌、鯛めしが味わえますよ。

※どちらも事前にお店に予約・販売確認が必要となります。

お店は浅間通り商店街にあり、駿府城址公園や静岡浅間神社からも近くアクセスしやすいので観光にぴったりです。

日本料理 うおかね
住所:〒420-0867 静岡県静岡市葵区馬場町33
営業時間:11:30~14:00、17:30~21:00
定休日:月曜日
アクセス:JR「静岡駅」よりバスで「西草深町」下車徒歩約2分
公式サイトはこちら

お土産におすすめ!「家康公のおへそもち」

久能山東照宮近くにある、日本平ロープウェイ駅前の売店「門前の恵み たいらぎ」では、家康公にちなんだグッズを多数販売。なかでもお土産におすすめしたいのが、久能山東照宮の宮司さんが監修・開発した「家康公のおへそもち」と「家康公のあんおかき」です。
駿河に伝わる“おへそもち”は、幼い竹千代が丈夫に育つよう、三河からの付き人が団子の中央をへこませ、あんこを添えて食べたことが由来といわれています。久能山東照宮参拝の際、購入してみてはいかがでしょうか。

大河ドラマ「どうする家康」でますます盛り上がる静岡市。2023年には新たに関連施設も続々オープンし、見どころたっぷりの観光スポットです。ゆかりの地をめぐり、家康が愛した駿府の魅力を感じてくださいね。


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