静岡県浜松市で徳川家康ゆかりの地めぐり!「どうする家康」大河ドラマ館も注目

徳川家康が29歳から45歳までの17年間を過ごしたのが静岡県浜松市です。浜松城をはじめ、家康公ゆかりの地は出世運上昇のパワースポットとして今も親しまれています。2023年大河ドラマ「どうする家康」では徳川家康役を松本潤さんが演じ注目を集めており、その魅力や功績を知りたいと浜松を訪れる方も多いのではないでしょうか。

この記事では浜松にある家康公ゆかりの地や、新たにオープンする大河ドラマ館をまとめて紹介!家康公が天下統一の礎を築いた出世の街・浜松をめぐり、その出世運にあやかってみませんか。

若き家康公が17年間を過ごした「浜松城」

浜松で徳川家康ゆかりの地めぐりをするなら、まず訪れたいのが浜松城です。元亀元年(1570年)、武田信玄の侵攻に備えた家康は、岡崎城を長男・信康に譲り、拠点を浜松城に移しました。もとは引間城(曳馬城)という現在の元城町東照宮付近にあった城で、家康は入城後に拡張・改修し、名を「浜松城」と改めています。

家康の時代は天守閣などはなく、天正18年(1590年)に入城した堀尾氏の時代に天守閣や石垣が築かれたとみられます。現在見られる天守閣は1959年に再建、天守門は2014年に復元されたものですが、野面積みの石垣は当時の面影を残す貴重な遺構です。

浜松城の石垣は野面積み
浜松城の野面積みの石垣

城内では、家康にまつわる展示が見られるほか、展望台からは浜松市街を一望できますよ。

家康が駿府城に移ったあと、浜松城は代々徳川家とゆかりの深い譜代大名が守り続け、歴代城主が次々と出世したことから「出世城」とも呼ばれています。

若き日の徳川家康公像

家康は浜松に在城した1570年からの17年間に、三方ヶ原の戦いや高天神城の戦い、小牧・長久手の戦いなど多くの試練を乗り越えました。まさに「どうする家康」の連続だったことでしょう。浜松城公園内には、そんな若き日の家康公の姿を表した像が建てられています。

浜松城公園内に建てられた若き日の徳川家康公像
若き日の徳川家康公像

手にしているのは、勝草(かちぐさ)と呼ばれる歯朶(しだ)です。家康が関ヶ原の戦いで着用した「歯朶具足」にはこのような歯朶の前立が付いており、以降徳川家にとって歯朶の具足は吉祥とされました。

浜松城
住所:〒430-0946 静岡県浜松市中区元城町100-2
料金:大人(高校生以上)200円
営業時間:8:30~16:30(最終入館:閉館10分前)
アクセス:浜松駅からバスで「市役所南」下車、徒歩6分
公式サイトはこちら

家康と秀吉の出世運にあやかる「元城町東照宮」(引間城跡)

浜松城の前身である引間城の本丸跡に、明治19年(1886年)創建されたのが元城町東照宮(もとしろちょうとうしょうぐう)です。元城町東照宮は、ふたりの武将を天下人へ導いた「出世神社」としても知られています。

元城町東照宮の鳥居。
元城町東照宮の鳥居。現在の社殿は昭和33年(1958年)に再建されたもの。

そのふたりの天下人こそ、徳川家康と豊臣秀吉です。

家康は前述のとおり浜松に入ってから浜松城を築くまで引間城に滞在していました。そして豊臣秀吉も少年時代、引間城支城の頭陀寺城主だった松下氏に仕えており、1551年から3年間ほどを浜松で過ごしたのだそうです。

そのため、元城町東照宮には家康と秀吉ふたりの天下人の像が建てられています。

浜松・元城町東照宮にある徳川家康公・豊臣秀吉公像
元城町東照宮にある徳川家康公・豊臣秀吉公像

家康に比べて秀吉がだいぶ若いことに違和感を覚えますが、これはふたりが浜松で過ごした当時の姿(秀吉公は16歳、家康公は29歳頃)を表しているからとのこと。

この二公像とともに写真を撮ると、 出世運がうなぎのぼりになるそうですよ。ぜひ一緒に写真を撮って、家康公と秀吉公の出世運にあやかりましょう!

元城町東照宮(引間城跡)
住所:〒430-0946 静岡県浜松市中区元城町111-2
アクセス:浜松駅からバスで「浜松城公園入口」下車、徒歩5分

家康最大の敗戦!三方ヶ原の戦い関連スポット

三方ヶ原古戦場

元亀3年(1572年)、武田信玄と徳川・織田連合軍が激突した三方ヶ原の戦いは、家康公の生涯最大の敗戦と言われています。浜松市北区の根洗町には三方ヶ原古戦場の碑が建てられています。(実際のところ、石碑がある場所が主戦場と特定されているわけではないそうです)

徳川軍はこの三方ヶ原で武田軍と戦ったものの敵わずに総崩れとなり、家康は家臣を身代わりにして命からがら浜松城へ逃げ帰りました。

三方ヶ原古戦場
住所:〒433-8108 静岡県浜松市北区根洗町1109
アクセス:「浜松駅」からバスで約40分、「三方原墓園」下車すぐ

この戦いで家康は多くの逸話を残しています。敗戦時、自戒のため自分の顔を描かせたとして知られているのが、「しかみ像」と呼ばれる「徳川家康三方ケ原戦役画像」(愛知県名古屋市・徳川美術館所蔵)です。浜松市博物館では、この肖像画をもとに作られた等身大の立体像が見られますよ。

小豆餅と銭取

また、浜松市内には三方ヶ原の戦いにまつわる地名も残っています。

敗走中に茶屋で小豆餅を食べていたところ、武田軍が追ってきたため代金を払わずに逃げてしまったという家康軍。しかし茶屋の老婆は追いかけて餅代を徴収した、という逸話があります。浜松市中区の「小豆餅(あずきもち)」という地名はその茶屋があった場所、「銭取(ぜにとり)」という地名は老婆が餅代を徴収したことに由来するのだとか。

犀ヶ崖資料館

三方ヶ原の敗戦で一矢報いようとした家康軍は、犀ヶ崖(さいががけ)で武田軍を夜襲しました。犀ヶ崖は浜松城の北側にある断崖ですが、家康軍が崖に白い布をかけて橋のように見せたため、武田軍が次々と転落し多くの死者が出たといいます。犀ヶ崖近くには布橋」という地名も残っています。

浜松市・犀ヶ崖資料館
写真提供:浜松・浜名湖ツーリズムビューロー

現在、犀ヶ崖古戦場には資料館が建てられ、三方ヶ原の戦いについての展示や、戦没者供養のため始めた遠州大念仏の資料を見ることができます。この地で討ち死にした本多忠真(徳川四天王の一人・本多忠勝の叔父)の碑もあり、両軍ともに犠牲を多く出した戦場だったことがわかります。

犀ヶ崖資料館
住所:〒432-8014 静岡県浜松市中区鹿谷町25-10
料金:無料
営業時間:9時~17時
休館日:毎週月曜日、祝日の翌日(月曜が祝日の場合は翌日)、12月29日〜31日
アクセス:浜松駅からバスで約15分「浜松北高」もしくは「さいが崖」下車

家康公鎧掛松

三方ヶ原の戦いで敗れ、何とか浜松城に逃げ帰った家康が脱いだ鎧を掛けたと伝わる松が「鎧掛松(よろいがけのまつ)」です。

現在の松は本丸南広場付近にありますが、実はこの松は3代目で、しかも初代の松があったのは浜松城内の堀の近くだそうです。当時の松との関係はかなり薄くなっていますが、浜松城を訪れた際に立ち寄ってみてもよいでしょう。

家康公鎧掛松
住所:〒430-0946 静岡県浜松市中区元城町103-2
アクセス:浜松城から徒歩すぐ

家康は三方ヶ原での大敗を教訓とし、後の戦いに生かしたといわれています。三方ヶ原古戦場から小豆餅・銭取、犀ヶ崖を経て浜松城までのルートは、Googlemapによると徒歩で約3時間ほど。体力とスケジュールに余裕があれば、三方ヶ原敗走ルートを辿ってみてはいかがでしょうか。

「どうする家康 浜松 大河ドラマ館」

2023年放送の大河ドラマ「どうする家康」放送にあわせ、浜松には大河ドラマ館が期間限定でオープンします。浜松城公園や元城町東照宮すぐの場所にあるので、ゆかりの地めぐりとともにぜひ足を運んでみてください。

大河ドラマ館は2023年3月18日(土)~2024年1月14日(日)までグランドオープン。インターネットと窓口で事前販売チケットを販売していますので、事前に公式サイトをチェックしておきましょう。

どうする家康 浜松 大河ドラマ館
住所:〒430-0946 静岡県浜松市中区元城町102-1(浜松城東)
料金:大人800円、小人400円
営業時間:10時~18時(最終入場17時30分)
定休日:なし
アクセス:浜松駅からバスで「市役所南」下車、徒歩5分
公式サイトはこちら

浜松で買いたい家康ゆかりのお土産・グルメ

家康が愛飲したと伝わる「忍冬酒」

戦国時代、浜松の蔵元が家康に献上し喜ばれたと伝わるのが忍冬(にんどう)酒」です。忍冬とはスイカズラの別名で、スイカズラを漬け込んだ忍冬酒は疲労回復などに効く健康酒なのだとか。太平洋戦争により一時は姿を消していたものの、近年復刻し浜松名物となっています。

健康オタクとしても有名な家康が飲んでいたお酒なら効能バツグンのはず。浜松忍冬酒の会加盟の酒販店で購入できるそうなので、お土産にいかがでしょうか。

御菓子司あおいの「小豆餅」

浜松の菓子屋「御菓子司あおい」では、三方ヶ原の戦いにおける小豆餅のエピソードをもとに作った小豆餅を販売しています。また、銭取にちなんだ小判型の和風マドレーヌや、縁起物の最中「出世葵」など、家康にちなんだ菓子もおすすめですよ。

本店は小豆餅の近くにあるので、三方ヶ原の戦いゆかりの地をめぐった際にぜひ立ち寄ってみてください。

御菓子司あおい
住所:〒431-3121 静岡県浜松市東区有玉北町1593
営業時間:8時~20時
公式サイト:http://www.aoikasi.jp/

浜松市内にある徳川家康ゆかりの地めぐりマップ

本記事で紹介した浜松市の家康ゆかりの地と大河ドラマ関連スポットを地図でまとめました。ゆかりの地巡りの際にお役立てください。


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