明治から昭和初期の歴史的建造物を移築復元・再現した野外博物館「北海道開拓の村」。北海道開拓の歴史が学べるとともに当時の生活を体感できる人気の観光スポットです。今回は「北海道開拓の村」の楽しみ方をご紹介します。
入り口の「旧札幌停車場」から村内へ

「北海道開拓の村」は、54haという広大な野外博物館です。村内には、北海道開拓時代の歴史や文化、産業を伝える歴史的建造物が約50棟ほど移築・復元されています。
村の出入り口となっているのが旧札幌停車場です。明治41年に建てられた札幌停車場の正面外観を縮小再現しており、スティックスタイルと呼ばれる特徴的な外観がかわいらしいですね。
レトロな街並みの市街地エリアで写真を撮ろう
広い村内は「市街地群」「漁村群」「農村群」「山村群」エリアに分かれています。
主に官庁や商店、住宅などで構成されている市街地エリアにはレトロな建物が数多く立ち並んでいます。通りを歩いているだけで、まるでタイムスリップしたような感覚に。写真映えする建物が多いので、カメラを携えた観光客も多く、人気の撮影エリアとなっています。
旧開拓使札幌本庁舎

撮影:レキシペリエンス編集部
入り口近くでまず目を引くのが旧開拓使札幌本庁舎。明治6年に建てられた庁舎を再現したもので、白と緑のコントラストが美しい建物です。内部には総合案内や情報サービスコーナーなどもあります。
旧浦河支庁庁舎

撮影:レキシペリエンス編集部
市街地エリアでひと際目立つこちらのピンクの建物は、旧浦河支庁庁舎です。
こんなにキュートな庁舎があったなんてビックリですよね。
大正8年に建てられた洋風古典様式の建物で、室内にある階段の手すりや腰壁の羽目板張りなどからも当時の雰囲気が感じられます。
旧三ます河本そば屋

撮影:レキシペリエンス編集部
もちろん日本の和風建築物もあります。こちらの雰囲気たっぷりの旧三ます河本そば屋は、明治42年に小樽市街の繁華街にあったおそば屋さん。当時は食事や宴会の場として多くの人に利用されていた人気店だったようです。
北海道開拓の歴史を知ろう
旧福士家住宅

撮影:レキシペリエンス編集部
こちらは幕末から明治にかけて北海道開拓に貢献した福士成豊の住宅です。造船や通訳、測量など幅広く活躍した福士は、日本人で初めて気象観測を行ったといわれています。また、新島襄のアメリカ密航を手伝った人物としても有名です。
和洋折衷の変わった造りとなっている室内には、彼の業績や開拓の歴史にまつわる資料が展示されています。歴史に興味がある方は立ち寄ってみてください。

撮影:レキシペリエンス編集部
漁村・農村エリアで北海道の産業の歴史に触れよう
旧青山家漁家住宅

撮影:レキシペリエンス編集部
漁村エリアで注目したいのが、旧青山家漁家住宅です。小樽沿岸を中心に鰊建網などを経営した青山家の住宅兼漁業施設で、「鰊御殿(にしんごてん)」とも呼ばれます。元々は10数棟の建物があったようですが、そのうち7棟を移築。鰊漁場の建物をこのように集めて保存しているのはとても貴重で、開拓の村の見どころのひとつとなっています。
話題作のロケ地としても注目

撮影:レキシペリエンス編集部
村内を走る「馬車鉄道」に乗ってみよう

撮影:レキシペリエンス編集部
広い村内には、国内で唯一の馬車鉄道(冬は馬そり)が走っており、乗車体験も可能です。北海道独特の馬「道産子(ドサンコ/正式名:北海道和種馬)」は辛抱強く持久力があり四肢も頑丈なことから、荷物の運搬などで活躍しました。道産子たちは農村エリアで休憩しており、そちらではくつろいだ姿が見られますよ。
食堂で北海道開拓グルメを味わおう
村内には食堂も併設されています。名物の「いももち」のほか、「にしんそば」「屯田兵定食」「やん衆定食」など、北海道開拓にちなんだグルメを味わってみてはいかがでしょうか。

撮影:レキシペリエンス編集部
2019年7月20日(土)~8月18日(日)の期間、開拓の村ではイベント「夏・むら・ロマン」を実施。様々な体験企画が準備されているとともに、浴衣の来場者は入場無料という嬉しい特典も。暑い夏、北海道への旅行を予定されている方はぜひ足を運んでみてくださいね。
北海道開拓の村
住所:北海道札幌市厚別区厚別町小野幌50-1
※営業時間・休園日は時期によるため、公式HPをご確認ください。
http://www.kaitaku.or.jp/go/goannai.htm